映画化の予感
カルロスゴーン社長の日産復活は2000年代の日本の経営史において 燦然と輝く神話になる予感を 同時代に生きている自分として感じる。それほどに 飛びぬけてオーラがある復活譚であるからだ。 勿論 これから日産がどうなるかは 分らないし 評価するには早すぎるわけである。また 何を復活と呼ぶかについても議論は山ほどあるだろう。 それでもここまでの5年半(本日は2005年5月1日)までの実績は鮮やかである。また 特筆すべきは ゴーンストーリーは非常に日本人に好意的に受け入れられていると思う。皆がこの成功ストーリーを映画のように 楽しんでいる気配がある。これは大きな強みである。 本書は その経緯を平明に書いてあり 分りやすい。日産復活はゴーン社長一人では到底出来なかったわけである一方 ゴーン社長がいなかったら出来なかったこともよく分り その意味でフェア−な本と言える。 一つ学んだのは ゴーン氏を日産に持ってくるまでの当時の日産経営陣の努力と 英知である。1990年代後半の日本企業混迷の中 間違いなく 日産経営陣は 正しい危機感を持ち 正しい経営判断をした という点では賞賛されても良いと思う。他の数多くの会社が 様々な経営判断を誤った中で、である。 ゴーン社長に隠れているが ファインプレーは そこにあったと思う。 それにしても 日産復活は 上記の通り 映画になりそうな気がするのは小生だけであろうか?
入門編としては最適
日産復活の謎を解こうとして多くの書物が出版されています。日産程の大企業を蘇らせるには、なにか魔法をかけたのに違いない、と考えがちです。この魔法は特別なことではなく、今の日本企業やエンロンに代表される倫理観を忘れた企業が見失ったものを再発見させてくれるものではないか、と考えるきっかけを与えてくれたのがこの本です。有名なリバイバルプランの策定経過がとても印象的でした。日産で何が起きたか?鳥瞰的に知りたい人には、読みやすさから言っても最適だと思います。
ゴーン氏の内面が見えてこない
確かにゴーン氏が行われた改革は記述されている。また他社の改革についても述べられている。しかしゴーン氏の内面が見えてこない。彼の情熱や苦悩が伝わってこない。そういった意味でゴーン氏の改革を知るには好著だが、ゴーン氏を知るには物足りない。
成功の称揚より失敗の分析の方がはるかに重要
この本を読むとたしかにゴーン改革の成功についてはよくわ かるが、その背後にはこれまでの日産の失敗があったはず。 これまでの日産の失敗が大きい分だけゴーン氏の成功が評価 されているだけではないのか。 その意味で、これまでの日産の失敗や陰の部分にほとんどメ スを入れていない本書は物足りないし、他の日本企業に勤め る人々へのメッセージとしても弱い。
リーダーシップと行動力
先日今最も話題の経営者であるニッサンのゴーン氏の講演会に出席した。 99年10月に当時瀕死のニッサンに、旧来の日本ならば常識はずれともいえる「リバイバルプラン」を引っさげて登場したゴーンさんには、その成功を危ぶむ声も多かった。 しかし、途中経過とはいえあれから2年余りで日産は01年3月期決算で、3300億円の過去最高益を計上した。 少なくとも日産社内の体質は大幅に変り、それだけではなく、日本の産業構造の基礎ともいわれた高コスト体質、系列取引などの商習慣は、ゴーン革命によって大きく変容をとげている。 本書は、小泉首相までもが「構造改革」の指南を受けたとまでいわれる、ゴーン氏の人物歴、日産におけるこの二年半の実績などを中心に、このゴーン革命が日本経済に与えた影響などを!まとめたもので、今、現在の日本の変容しつつある経営観といったものを知る上では便利な1冊である。 さて、日産は死の淵から這い上がったとはいうものの、これから、本当にエクセレントカンパニーの評価を得るまでには、まだまだ長い道程があるだろう。 本書にふれられていない、日産の今後の販売戦略などにおけるゴーンさんの腕前に注目してみたい。
日本経済新聞社
カルロス・ゴーンは日産をいかにして変えたか (PHP文庫) カルロス・ゴーン経営を語る ゴーン革命と日産社員―日本人はダメだったのか? (小学館文庫) ルネッサンス ― 再生への挑戦
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