???瀕死の日産自動車を、わずか2年で黒字転換するまでによみがえらせたカルロス・ゴーン。彼に関しての類書は、本人による自伝的な著作『ルネッサンス ─ 再生への挑戦』をはじめ、その経営手腕に焦点を置いたものや、日産自動車をひとつのケーススタディーとして企業再生の極意を説いたものなど、さまざまなものが出版されている。 ???そんななか、本書の特徴は、日産自動車の復活というストーリーを中心に、グローバル経済で企業が成功するための手法を、北米や欧州における日産の取り組みを通してまとめている点にある。日本で注目を集めた、座間工場をはじめとした生産ラインの縮小や系列企業の整理といった話題にはあまり触れていない代わりに、さまざまな国籍の経営幹部のインタビューを通し、日産のグローバル戦略を浮き彫りにしている。日産リバイバル・プランを発表した1年後に、多額の資金を投じたミシシッピ州のキャントン工場建設を決定するまでの推移が詳細に描かれている点などが顕著な例で、日本企業の再建物語というよりは、グローバル経営の神髄を凝縮した本だととらえるべきであろう。 ???また本書には、カルロス・ゴーンだけではなく、日産やルノーのマネジャーの声が多数収録されている。デザイン部門の責任者である中村史郎のインタビューなど、リストラだけによらない収益回復へのチャレンジが明らかにされている点にも注目である。 ?「エキサイティングな車を投入できるか否かが、企業の成功と失敗の分かれ目となる」と、ゴーンは語っている。そういった意味においては、瀕死の状態から抜け出した日産は、いまだ成功と失敗の分かれ目に立っている状態であるといえよう。日産の次の一手は、どのような形で投じられるのか。日本の日産自動車ではなく、世界企業としての日産自動車に関心がある人におすすめしたい1冊である。(朝倉真弓)
奇策も魔術もなく。
ゴーンがルノーの社長を兼務したことを祝って(?)最近彼関係の本をいくつか読んでみている。 日本では いわばカリスマ経営者であり 映画のスター並の人気になった感がある。彼の成功は 映画化されてもおかしくないと思うくらいである。 そんな日本に住む日本人ではなく フランス人でもない アメリカ人の視点で書かれたゴーン論が本書である。 日産が本当に復活したのかどうかは まだこれからの年月を待たなくてはならない一方 ゴーンがいなかったら そろそろ倒産していたかもしれないという気も十分する。ゴーンが日産で何をやったのかは本書を待たずとも 日々の新聞記事、TV等で紹介されつくしている感はあるが よく考えてみると常識的なもので 奇策や魔術は使っていないことに改めて驚く。しがらみに捉われずコストを下げ、社内のcommunicationを良くし 新製品にも果敢に取り組む。それでけではないか。 その意味では正道を行ったわけだが その「行く」という点が 大変な魔法であったということも 感嘆しつつ感じる。 本書を読んで 米国人である著者も同じ意見であることが分かり ちょっとほっとした。
カルロスゴーンはすごい
カルロスゴーンが、いかに優れたリーダーシップを持つ人物かということがわかる。難しい問題でも彼にかかると単純化され、明確な目標を持つことによって企業全体の意識がレベルアップしていく様子がおもしろかった。
自己啓発本???
あまりビジネス書を読み慣れない私でしたが、結構読みやすく、問題は内にある。と社員の仕事に対するメンタリティーをこれだけ短期間で改革できたのはすばらしいと思う。読み進めていくうちになぜか自己啓発本のように思えてきて、明日の仕事に喝を与える一冊です。
今となっては表面的な内容
NRP以来、ゴーンが行った改革を鳥瞰するには便利な本であるが、内容は平板で面白いとはいえない。今となっては、マギーのゴーンに対する評価は当たり前になっていて、切り口の新鮮さが全く感じられない。この本と正反対なのが、元NAVIの小川フミオの「カルロス・ゴーンへの警鐘」である。やや扇動的なタイトルに反して、ゴーンの改革の本質が何であったかを著者なりに追求する姿勢が好ましい。但し、小川フミオの本を味わうためには、知識としてゴーンの一連の改革を知っておく必要があり、その意味で本書を読んでおいて損は無い。
北米や欧州における日産の取り組
日産をよみがえらせたゴーン。 本人による自伝『ルネッサンス ─ 再生への挑戦』や雑誌で語り尽くされた感のあるゴーン伝だが、本書は日産の復活を中心に、グローバル経済で企業が成功するための手法を、北米や欧州における日産の取り組みを通してまとめている点が特徴。
東洋経済新報社
カルロス・ゴーンが語る「5つの革命」 カルロス・ゴーンに学ぶ改革の極意 ゴーン革命と日産社員―日本人はダメだったのか? (小学館文庫) ルネッサンス ― 再生への挑戦 カルロス・ゴーンは日産をいかにして変えたか (PHP文庫)
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